シュナプーとは、ミニチュアシュナウザーとトイプードルのミックス犬です。
「プーシュナ」と呼ばれることもあります。
英語圏では「シュヌードル」と呼ばれています。
シュナプー(プーシュナ、シュヌードル)は、何世代にもわたって改良されてきた歴史があり、特にアメリカでの人気が高い犬種です。
ミニチュアシュナウザーは、かつての人気ドラマ「マルモのおきて」で出演していたワンちゃん(名前はムック)で、一躍有名になりました。
シュナプー(プーシュナ、シュヌードル)は、いったいどんな犬なのでしょうか?
今回は、シュナプーの「性格,成犬の大きさ・体重,カット,抜け毛など」について、ご紹介します。
見た目は?ミニチュアシュナウザーとトイプードル、どっちに似てる?
まずは、ミニチュアシュナウザー、トイプードル、シュナプーの画像を見比べてみましょう。
ミニチュアシュナウザー
トイプードル
シュナプー
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まずは全体的な雰囲気、そして各パーツまで詳しく見ていきましょう。
■全体的な雰囲気
全体的な雰囲気としては、シュナウザーの影響が強く「スラリとした体型の巻き毛のミニチュアシュナウザー」です。
シュナウザーの特徴的な、立派な「眉毛」と「ヒゲ」をそのまま受け継いでいる子多いので、眉毛とヒゲが目立つ毛色だとミニチュアシュナウザーと見間違えてしまうかも。
このようにトイプー寄りの子もいます。
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次に、各パーツごとに見ていきましょう。
■目
全体的にシュナウザーよりも、プードルのようなぱっちりな目になる子が多いです。
でも、シュナウザーもトイプーも、似たアーモンド形の目をしているので、両親犬に比べて目の印象が大きく変わることはないようです。
■耳
両親犬とも垂れ耳なので、垂れ耳になります。
ただ、シュナウザーの影響が強いようで、ボタン耳(耳の下部分は立ち耳で、耳の先が前に向かって垂れている耳)が多いです。
立ち耳のミニチュアシュナウザーもいますが、これは生後間もないうちに手術しているためで、本来は垂れ耳なのです。
■顔、マズル(口・鼻の部分)
シュナウザーの特徴的な「眉毛」と「ヒゲ」を受け継いでいる子が多いです。
両親犬ともにマズルが長めなので、シュナプーも長めになりますが、トイプードルの影響でマズルは細めになることが多いです。
■体型
トイプードルの影響で、体型がほっそりして脚もスラリと長くなる傾向があります。
しかし、シュナウザーの特徴をしっかりと受け継いで、トイプーより筋肉質な体つきになります。
■毛質・毛並み
プードル譲りの巻き毛の子が多いですが、巻き毛ではない子も少なくありません。
ラフコート(粗い中毛で、一定方向ではない毛並み)で、プードルより柔らかい毛質です。
■毛色
最も一般的なコート色は、黒、黒に白の斑点、グレー、シルバーです。
その他、ブラウン、白、アプリコット、セーブル、ブラックタン、パーティカラーがあります。
ちなみに、毛色は単色の子の方が多いです。
子犬の頃の毛色が、成犬になると変わる子もいます。
成犬の大きさ(体高、体重)
■平均体重 5キロ
■平均体高 35センチ
シュナプーは平均体高が35センチ、平均体重が5キロです。
体高はシュナウザーとあまり変わらないものの、トイプーの影響で全体的にほっそりしているためシュナウザーより体重が軽くなる傾向があります。
[参考]
平均体高 ミニチュアシュナウザー30~35:センチ、トイプードル:24-28センチ
平均体重 ミニチュアシュナウザー:約4-8キロ、トイプードル:3-4キロ
ところで、シュナウザーとプードルには色々な種類の大きさがあるので、「シュナプーって他にどんなサイズの組み合わせがあるの?」と疑問に思われる方も多いようです。
まず、プードルとシュナウザーの種類を見てみましょう。
JKC(ジャパンケンネルクラブ)では、プードルは4種類(スタンダード・ミニチュア・トイ)、シュナウザーが3種類が認定されています。
- スタンダード・プードル(大型犬、体高:45cm~60cm)
- ミディアム・プードル(中型犬、体高:35cm~45cm)
- ミニチュアプードル(中型犬、体高:28cm~35cm)
- トイプードル(小型犬、体高:24cm~28cm)
- ジャイアントシュナウザー(大型犬60~70cm)
- スタンダードシュナウザー(中型犬45~50cm)
- ミニチュアシュナウザー(小~中型犬30~35cm)
このような大きさの種類がありますが、シュナプーは次の2種類のいずれかです。
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日本では、トイプードルやミニチュアシュナウザーを超えるサイズの飼育数が少ないことから、日本でシュナプーとして販売されている犬は、ほぼ例外なく「トイプードル×ミニチュアシュナウザー」のミニチュアシュヌードルです。
「ミニチュア・プードル×スタンダード・シュナウザー」のスタンダード・シュヌードルはアメリカで飼育されていますが、ミニチュアシュヌードルに比べると飼育数も少なく犬種廃止の可能性も高いようです。
シュヌードルにはミニチュア・シュヌードル(英:Minature Scnoodle)とその弟妹種スタンダード・シュヌードル(英:Standard Scnoodle)の2タイプが存在するが、多くの場合シュヌードルといえばミニチュア・シュヌードルのことを指す。
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ミニチュア・シュヌードルは雄のトイ・プードルと雌のミニチュア・シュナウザーを交配させて生まれた交雑犬をもとに改良を加えて作出された。
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弟妹種スタンダード・シュヌードル
雄のミニチュア・プードルと雌のスタンダード・シュナウザーを交配させたものをもとに改良を加えて作出されたもので、こちらも主にペットとして飼育する目的で作出された。
性格・性質などの特徴
■陽気・活発・遊び好き
■社交的で人懐っこい
■従順
■警戒心が強い
■非常に賢い
■訓練能力が高い
■運動量は低~中程度
ミニチュアシュナウザーとトイプードルは、このような性格・性質があります。
[ミニチュアシュナウザーの性格]
警戒心が強い
陽気・活発・遊び好き
体力がある
非常に賢い
訓練能力が高い[トイプードルの性格]
甘えん坊
陽気・活発・遊び好き
社交的で人懐こい
従順
非常に賢い
訓練能力が高い
こうしてみると、意外と共通点が多いことが分かります。
「陽気・活発・遊び好き」、「賢い」、「訓練能力が高い」という点は両者に共通する性格ですので、当然ながらシュナプーにもそれらは受け継がれています。
特に、賢さに関しては、トイプードルは知能の高い犬として有名ですが、シュナウザーも「人間の3歳児並の知能を持つ」といわれるほど賢い犬です。
そんな両親犬のミックスであるシュナプーも、頭脳明晰!
さらに、トイプードルの影響で、人間にも犬にも非常にフレンドリーな性格をしています。
シュナウザーの気質が出て、警戒心を見せることもありますが、そういった性格もトイプードルの影響で穏やかになっています。
そのため、初心者の方にも飼いやすく、小さなお子さんのいるご家庭での飼育にも向いています。
また、ジャンプが得意なトイプードルの影響で、嬉しくなると飼い主に飛び跳ねる子も多いです。
活発な性格から運動を好みますが、それほど多くの運動量は必要ありません。
一日に30〜60分程度の運動があれば十分でしょう。
以上のことから、性格・性質面ではシュナウザーよりもトイプードルの影響が強いといえます。
しつけのしやさ
■非常にしつけやすい
両親犬とも賢い上に訓練能力も高く、訓練されることを好みます。
シュナプーにもその性質が色濃く受け継がれていますので、飲み込みの早さ・聞き分けの良さは申し分なく、とてもしつけやすい犬といえます。
無駄吠えはある?
■中程度
シュナウザーの警戒心の強さから、不審な物音などに警戒吠えをすることがあります。
しかし、訓練能力が非常に高い犬ですので、しっかりと躾(しつけ)をすることで改善できるでしょう。
平均寿命
■13~15年
ニオイはある?
■ニオイは少ない
トイプードル、ミニチュアシュナウザーともに体臭が少ない犬種ですので、シュナプーもその特徴を受け継いで、ニオイは少ないです。
かかりやすい病気
■膝蓋骨脱臼(膝関節の皿脱臼)
■股関節形成不全
■てんかん
■白内障
■進行性網膜萎縮症
■レッグ・カルベ・ペルテス病(大腿骨頭無菌的壊死症)
■アジソン病(副腎皮質機能低下症)
■胃捻転
■糖尿病
ミックス犬は、純血種よりも遺伝性の疾患を発症しにくいため、丈夫だといわれています。しかしながら、遺伝性の疾患にかかる可能性が無いわけではありません。
シュナプーは肥満になりやすいので、適度な運動をさせることと、おやつのあげすぎに注意をして下さい。(トイプードル、シュナウザーどちらも太りやすい体質です)
抜け毛の量
■抜け毛はとても少ない
トイプードルは全犬種の中で最も抜け毛が少ないことで有名ですが、ミニチュアシュナウザーも2番目に抜け毛が少ないと言われる犬種です。
そのため、抜け毛はとても少なく、季節ごとの毛の生え代わり(換毛)もありません。
お手入れについて(トリミング・カット、ブラッシング、シャンプーなど)
■カットは、1カ月に1回程度
■シャンプーは、月に1~2回程度
■ブラッシングは週に1~2回程度(できれば毎日)
■トリミング料金は、どちら似でもほぼ同じ料金
カットは1カ月に1回程度、シャンプーは月に1~2回程度、ブラッシングは週に1~2回程度(毎日が理想的)を目安に行ってあげましょう。
トリミング料金については、シュナウザーもトイプードルも、ほぼ同じ料金なのでどちら似でも同じくらいの料金になることが多いようです。
また、被毛の退色、剛毛維持あるいは皮膚強化のために、ストリッピング・ブラッキング・クリッピングなどと呼ばれる毛を抜く方法があります。
これは、ミニチュアシュナウザーのような毛がほぼ生え変わらないワイヤーコートの犬によく行われます。
個人的な意見ですが、シュナプーでもストリッピング等を行われる方もいますが、ドッグショー等に出すのでないなら、特に必要ないと思います。
価格・値段の相場
■10~14万円
購入・入手方法
■ペットショップ
■ブリーダー
■里親募集サイト
ペットショップ、ブリーダー、里親募集サイトなどで見つけることができます。
シュナプーは販売頭数のわりに人気がある犬種なので、店頭やサイトで公開された途端に売り切れになってしまうことが多いです。
シュナプーは、1世代限りのF1ミックス犬とは違い何世代にもわたって改良されてきた歴史があり、アメリカで広く認められている犬種の一つです。
シュヌードル(英:Scnoodle)とは、アメリカ合衆国のミネソタ州原産の二重純血犬種、及びプードル・ハイブリッドに属する犬種である。
日本のペットショップで販売されているシュナプーのほとんどは、1世代限りのF1ミックス犬です。
二重純血犬種(※)のシュナプーを購入する場合は、アメリカから個人輸入されることも一つの手ですが、言葉の問題もありますので、まずは国内の信頼できるブリーダーさんに相談してみることをおすすめします。
(※)二重純血犬種とは、2つの異なる純血犬種を交配した犬をもとに何世代にも渡ってブリーディングを重ね、両犬種の良点を出すために固定化された犬種です。そのため、単なる純血腫同士の一代かぎりの掛け合わせであるF1ミックス犬とは違います。
さいごに
いかがでしたか?
シュナプーは、非常にしつけやすくて抜け毛もニオイも少ないので、とても飼いやすい犬種といえます。
シュナウザー譲りの「ヒゲ」と「マユゲ」が目立ち、まるで哲学者のような風貌をしていますが、その中身はトイプードルのような陽気さと茶目っ気であふれています。
シュナプーを知れば知るほど、そのギャップに虜になってしまうかもしれませんよ。
最後に、シュナプーの子犬(ブラックタン、ブラック)の動画をご覧ください。