犬のボランティアをやってみたいけどどんなもの?
「犬は好きだけど飼えない、犬のために何かしたい、いろんな犬と触れ合いたい
運命の犬と出会えたら・・・」と、理由は様々あると思います。
犬のボランティアには、どんな種類があるのでしょうか?
保護犬に関わるボランティア
犬が保護される経緯はさまざま。
捨て犬、迷子犬、ブリーダー崩壊、多頭飼育崩壊、保健所持ち込み、ペットショップ売れ残り等、ほとんどが殺処分される運命です。
最近は各自治体の動物愛護センターが里親募集に力を入れており、譲渡会も定期的に開かれるので、まずは近くの愛護センターを訪ねてみては?
必ずボランティアのヒントが見つかるはず。
このほかシェルター(動物保護施設)は個人、非営利活動法人など運営法は違いますが、いずれもいろいろなボランティアを募集しています。
- 里親募集(譲渡会参加)
- 一時預かりボランティア(里親が見つかるまで自宅で預かる)
- 犬の世話(散歩、餌、グルーミング、スキンシップ)
- 設備のメンテナンス(掃除、修理)
- デスクワーク
- 広告やグッズのデザイン、製作
- 搬送ボランティア(レスキュー時、里親さん宅までの搬送)
- 寄付(お金、物品)・募金活動(募金箱設置、街頭募金)
- イベント参加(手伝い、啓発、商品購入)
- レスキュー、迷子犬探し
- クリック・ツイート募金する
これならできそうと思われたら、まず問い合わせてみてください。
できることを少しだけお手伝いするという感覚で構いません。
あくまでも自主的な社会貢献です。
でも、決して無理はしないでください。
保護活動に共感できる人、ある程度自分の能力を把握して気持ちのコントロールができる人に向いているボランティアです。
罪のない尊い命が人の手によって奪われたり救われたりする現状で、自分が何かできた時の達成感は何物にも代え難く、犬たちの幸せそうな笑顔を見るだけでやりがいを感じるはずです。
たくさんの犬を幸せにできるなんて、犬好きにとってこれ以上の満足感はありませんね。
被災犬に関わるボランティア
災害によって被災し、飼い主とはぐれたり一緒に暮らせなくなってしまった犬は、愛護団体等によって保護されるため、保護犬ではあるのですが飼い主が判明している事が多いので、少し事情が違います。
被災地に赴き、飼い主と離ればなれになった犬たちをレスキューする方たちの様子がテレビで放送されましたが、お手伝いは難しそうです。
しかし、再会を果たせなかった犬には
- 飼い主の捜索
- 一時預かりボランティア(飼い主との再会まで)
- 搬送ボランティア(里親に届ける)
- 里親募集
などのお手伝いが必要です。
また被災地の自治体でも里親募集していますので、ぜひ問い合わせてみてください。
そして被災犬を預かり、医療措置をしたうえで救援物資等をどこよりも早く受け入れ、被災者(犬)に届ける活動をされている動物病院もあります。
被災直後はたくさんの関心が集まるが、時間がたつと意識が薄れていくとよく耳にします。このような活動に賛同し協力するのは、とても素晴らしいことですね。
被災犬のボランティアはその時限りではなく、長きにわたって意識してあげられるような人が必要とされます。
被災犬が大好きな家族と生きる姿を目にしたとき、きっとやりがいを感じられるはずです。
補助犬に関わるボランティア
盲導犬、介助犬、聴導犬を「補助犬」と呼びます。
補助犬を育成する団体のボランティアのうち犬の飼育に関わるものは、その団体の近隣に居住していなければできない場合がほとんどです。
犬の飼育ボランティアは
- パピーウォーカー(補助犬候補の仔犬を預かり家庭で飼育する)
- ブリーディングウォーカー(繁殖犬を預かり家庭で飼育する・出産育児の手伝い)
- キャリアチェンジ犬ボランティア(補助犬や繁殖犬以外に決定した犬を家庭犬として迎え終生飼育する)
- リタイア犬ボランティア(補助犬の引退犬を迎え終生飼育する)
- ステイウォーカー(補助犬候補の仔犬、訓練中の犬、現役の補助犬等の一時預かり)
など名称や内容は団体によって多少違いますが、目的は同じです。
一頭でも多くの補助犬を送り出す事を目的としています。
人間のために役に立つ仕事をしてくれる補助犬は、まず人間が大好きなことが一番重要です。
そして人間が大好きな犬を飼育するためには、たくさんの人の力(関わり)が必要です。
犬の飼育ボランティアは、単独ではなく周りの人と協力し合って情報交換できるような、社交性のある人が向いています。
また大切な犬を預かるのですから、責任感(健康管理、報告)がないと務まりません。
「室内飼育できる環境、時間や体力、経済的余裕」もある程度必要です。
責任重大で難しそうですが、”自分が関わった犬が人の役に立つ”と考えるだけで、きっとやりがいを感じることができるでしょう。
また、補助犬を育成する団体とは別に、補助犬の引退犬を支援する団体もあります。
こういった団体を手伝うボランティアも、また必要とされています。
犬の育成支援ボランティアには
- 犬舎の掃除・犬のシャンプーなどのお世話
- イベントの手伝い(チャリティーグッズの購入)
- 補助犬の洋服の縫製
- 街頭募金活動(個人、学校等)
- 募金箱・育成募金自販機設置(店舗、会社等)
- 翻訳ボランティア(海外の団体との交流)
などがあります。
補助犬の育成団体は、その活動資金のほとんどを寄付金でまかなっています。
そのため、活動を維持するために ”募金や寄付をしたり団体に所属して会費を納める”
事は何よりの協力になります。
ボランティア最初の一歩として、ほんの少しでもいいので関心を持つことです。
きっと補助犬に対する意識が変わります。
何かできることがあるはず。
セラピー犬に関わるボランティア
セラピー犬とは、主に様々な障碍を抱える人の治療目的に用いられる犬で、「身体障碍者施設、老人福祉施設、病院など」が活動の場です。
保護犬や補助犬のボランティアとは違い、犬と人間が一緒にボランティアとして施設や病院を訪問するものです。
そのため、人間にもドッグセラピーについての充分な理解や知識が求められますし、犬にはまず忍耐力が求められ、認定試験に合格しなければ活動できません。
単なる犬とのふれあいボランティアではなく、「あくまでも治療目的」という認識で臨まなくてはなりません。
ですので、意志の強い人に向いています。
施設訪問だけと考えているなら、
公益社団法人日本動物病院福祉協会(JAHA)の活動見学をされると良いでしょう。
愛犬と飼い主が共に患者さんの心を癒し笑顔にすることが出来たら、これ以上のやりがいはありませんね。
さいごに
ボランティアって一人ひとりできる事が違う中で、自分ができる事を少しずつ出し合ってはじめてかたちになるものです。
思い切ってできる事をしてみましょう。
自分に一番合った方法で、犬のためになる事が見つけられますように。