愛犬がトイレにもお風呂にもどこにでも、べったりついてくる・・・
嬉しい気はしますが、思わぬ健康問題が潜んでいるかも?
その理由や対処法を考えてみます。
犬が後をついてくる、べったり離れない理由
まず、離れない理由を考えます。
性格
- 甘えん坊、依存心が強い
- 不安がる性格、怖がり
- さみしがり屋、一人が嫌い
- 飼い主大好き
- 血統(気質はある程度遺伝するものです)
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環境
- 飼い主しかいない(一人暮らし等)
- 今までの体験によるトラウマ(留守番時、保護犬等)
- 飼い主の接し方(甘やかされ過ぎ、構われ過ぎ,過度なしつけ)
- 飼い主の生活の変化(就労、転居)
- 社会化不足(外界に慣れていないため、人間や他犬に対する免疫不足)
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分離不安症・健康問題・認知症
分離不安症という人間と離れる事ができない心理的な病気や、健康問題まで様々な理由が考えられます。
普段ついてこない犬が急についてくる場合、
- 体調不良(嘔吐、下痢、脳の病気、代謝異常)
- 外出(散歩、トイレ)要求
このようなことが原因かもしれないので、いつもと違うと感じたら犬のサインを見逃さないでください。
老犬の場合は認知症の可能性もあります。
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トイレにいきたい
例えば、トイレシートのある1階ではなく2階にいて自分で階段を降りられない犬だとします。
このような場合は、おしっこをしたいことを飼い主に教えるためについてくることが考えられます。
トイレの躾(しつけ)がしっかり出来ているともいえますね。
空腹・水が欲しい
餌(ドッグフード)、水のやり忘れで、飼い主のに空腹やノドの渇きを訴えている可能性があります。
飼い主についてくる犬の気持ち
どこまでも飼い主についてくる犬の気持ちは
- 遊んでほしい(構ってほしい)
- 傍にいると安心(リラックス)できるため離れない
- 飼い主がリーダー(後ろをついてくるのは認められている証拠)
- 飼い主を監視している(見守っている)
- ついていけば、ごはん・おやつがもらえるかも
- 信頼している(厳しくしつけてもくっついてくるのは愛情だと理解している)
- 飼い主に依存されているから自分も依存しよう
など好きという気持ちよりも、信頼している気持ちが強い場合が多いのです。
また、お尻や背中からくっついてくるのは甘えたい、頼りにしている気持ちの表れと考えられますので、甘えさせてあげてよいでしょう。
ついてくる犬に対してどう対応すべき?ついてこさせないようにする方法は?
犬がべったりとどこまでもついてくる原因が「トイレにいきたい、空腹など」以外の場合は、どのように対応すればいいでしょうか?
まず原因を取り除いて、気持ちを落ち着かせてあげることが大切です。
自分がいるから大丈夫と教える
怖がりさんにはまず、自分がついているから大丈夫という事を教えてあげて下さい。
少しずつ時間をかけて言葉で伝える事で理解してくれます。
落ち着ける場所をつくってあげる
留守番中の問題行動は、落ち着ける場所を設けてあげるだけで改善することがあります。
【犬が落ち着ける・くつろげる場所】
犬にはオオカミが洞穴(ほらあな)などで暮らしていた習性が今でも残っているため、狭くて暗い所が好きです。また、飼い主や自分の匂いがする場所も好きです。 ●クレート、天井を布や板で塞いだサークル ●家具やソファなどの隙間 ●ベッド、布団、ソファ、クッション |
時には突き放す
性格は簡単に直せるものではありませんが、甘えん坊な性格はそれ以上エスカレートさせないよう、時には突き放すことも必要です。
犬が怖がった時、飼い主が無反応というのは効果的です。
一緒になって怖がったり、大げさに反応しないようにしてください。
できる範囲で、環境を改善してあげましょう。
甘えをエスカレートさせると、問題行動につながる恐れがあります。
犬が一人だけでくつろぐ時間を作る
飼い主が一緒にいるときにも、犬だけでくつろぐ時間を作ります。
30秒からでもよいので、少しずつ時間を延ばして慣れさせてください。
犬が自立できない最大の原因は、構いすぎです。
- 怖がっているときに抱っこしない
- 要求されても無視する
を徹底することで飼い主が変わることにつながり、犬の自立心を育てます。
そして、
- 用事が済むまでハウスで待つ練習
- 遊ぶ時間、遊ばない時間を作りメリハリをつける
など少しずつ楽しみながら、犬との信頼関係を作っていきましょう。
訓練によってアイコンタクト(見つめあう事)ができるようにします。
これにより信頼関係が強化され、適度な距離を保つことができます。
”待て”ができるようになるとさらに効果的。
かくれんぼなどで遊びながら、飼い主との適度な距離が学べます。
ただし、無理強いや厳しすぎるしつけは厳禁です。
日々の健康チェックも、信頼関係を築く上で大切ですので忘れずに。
この時はスキンシップしながら、充分話しかけましょう。
また一人でいるのが嫌いな犬には、できるだけ一人にする時間を短くしてあげる努力をしてください。
犬が一人で留守番できる時間は、最高でも6時間と言われています。
1分でも留守番を短くしてあげられるとよいですね。
いずれにしても、飼い主は常にどんと構えて大らかに振る舞うことで、犬にとって信頼できる存在になるのです。
そもそも、ついてこさせないようにした方がいいの?
もちろん飼い主さんの意向が一番でしょう。
答えは飼い主さんの価値観といったところでしょうか。
ずっとベッタリくっついて離れないなんて、飼い主冥利に尽きるというもの。
だけど度を越すと、お互いにストレスになってしまうかも。
つかず離れずというのが、適度な距離なのかもしれません。
ただ、分離不安症が原因で”問題行動”がみられる場合は、速やかに対応が必要です。
問題行動は犬の健康を害するばかりか、犬と人間のストレス(病気)の原因になります。
しつけだけで解決するのは難しいので、行動療法(行動をコントロールして心理的な安定を
促す方法)の専門であるドッグビヘイビアリストに相談したうえで、薬物療法(獣医に相談)を取り入れるのも一つの手段です。
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さいごに
愛犬が自分を慕ってあとをついてくるなんて、とても幸せなことですね。
しかし、お互いに頼ってばかりではダメ!
犬の自立心を育てる事こそが、より良い関係を築く第一歩なのです。
もちろん飼い主自身の自覚なしには何も変わりません。
頼りになる素敵な飼い主を目指しましょう。
「時には優しく、時には厳しく接する」そういうメリハリの利いた生活の中で、愛犬と飼い主の”いい関係”がいつまでも続きますように。