犬のてんかんの前兆と、発作後の寿命は?

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てんかんは飼い主さんが気がついたときに発症していることも多く、「留守番させているときに発作が出たら、死んでしまうのでは?」と心配ですよね。

「1年以内に発作を起こしていると、狂犬病予防接種が受けられない」「混合ワクチンが受けられない」「てんかんになると保険に入れない」といった話も聞きます。

今回は、発症すると大変なイメージがある「てんかん」について詳しくお話しようと思います。

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犬のてんかんの前兆

犬はてんかんになると、このような前兆(初期症状)がみられます。

  • ぼんやりする
  • ぐるぐる歩き回る
  • そわそわする
  • よだれをたらす
  • 嘔吐する
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犬のてんかんの症状

てんかんを起こすとどうなってしまうのでしょうか。

こちらは、動画によるてんかんの様子です。

見慣れない方にはショックが強いかもしれないのでご注意ください。

全般発作

意識はなく、脳全体が興奮している状態です。
突然体がピンと張り詰め、両足はまっすぐ伸び、横に転がったり、後ろに引っくり返ったりします。
しばらくすると犬かきのように前足を動かします。
この間、うんちやおしっこを漏らしてしまうことがあります。
発作は、数十秒から数分で治まります。

  

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焦点性発作(部分発作)の症状

意識はあるものの、脳の一部が興奮状態になって起こり、体の一部が痙攣します。

  • 顔面の痙攣
  • ガムを噛むような顎の動き
  • よだれが大量に出る
  • 徘徊を続ける
  • 吠える

などの異常行動が挙げられます。
老犬は部分発作の方を起こしやすいと言われています。
群発発作といって、一日2回以上の頻度で発作を起こすこともあります。

また発作が10分以上続く場合は、重積発作といって、命に関わるほどの重症となっています。
応急処置が必要ですので、病院へ連れて行ってください。

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犬のてんかんにかかった後の寿命は?

てんかんの発作が起きても、重積発作以外は、生死に関わるケースは少ないとされます。
また、てんかんに罹っていても、長生きする犬もいます。
過去、私がとあるブリーダーの元で働いていたとき、てんかん持ちの子がいましたが、他の犬と同じように元気にすごしていましたよ。

犬のてんかんの原因

  

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特発性てんかん

検査しても原因がわからない場合、遺伝が関係していると考えられます。
犬のてんかんは、ほとんどこのケースです。

※なお、「特発性てんかん」は原因不明なてんかんのことで、「突発性てんかん 」は、突然発生するてんかんのことです。よって、両者は違うものです。

  

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症候性てんかん(二次性てんかん)

過去において、脳細胞を破壊するようなことがあったと考えられます。
交通事故などで脳が傷つき後遺症となっていたり、ウィルス感染などが引き金になったりします。
また脳腫瘍などが原因で引き起こされることもあります。
てんかんは脳に原因があることが多いため、専門病院へ行き、MRIや脳波検査をします。

犬のてんかん発作を起こしたときはどうしたらいい?

まず飼い主さんは落ち着いて様子を観察します。
これはあとで病院に行ったとき、正確に症状を伝えるためです。

  • 発作の前兆はあったか
  • 痙攣は全身か、部分的か
  • どのような痙攣だったか
  • 元に戻るまで何分かかったか

これらの項目についてメモして、病院へ行きましょう。

可哀想ですが、手を出してはいけません。
意識がない場合は、犬にそのつもりがなくても、尖った歯が飼い主さんにあたり、怪我をさせてしまいます。
てんかんの発作を見ると、飼い主さんは慌ててしまいますが、まずは落ち着きましょう。
冷静に対応することがもっとも重要です。

犬のてんかんの治療と予防方法は?

愛犬がてんかんになったら、どのような治療を行い、どのような予防をすれば良いのか対処法をお話します。

治療

抗てんかん薬を投与します。
抗てんかん薬の種類はいくつかあり、その犬に合うかどうか調べることと、長期治療が必要であるため副作用が出ていなかをチェックする必要があります。
そのために、定期的な血液検査を行います。

治療費用は、検査代で5千円~8千円ほど、入院すると数万円はかかります。

使用する薬

  • フェノバルビタール(錠剤、散剤)
  • 臭化カリウム(液剤)
  • ゾニサミド(錠剤、散剤)
  • ダイアップ(座薬)
  • コンセーブ(錠剤)

薬が効かない?治るの?治らないの?

投薬は、発作の回数を減らすことが目的で、完治はしないと言われています。
ですが、てんかんの発作を抱えていても、飼い主さんの献身的な愛情で長生きしている飼い犬はたくさんいますよ!

漢方薬

ネット販売で、オーダーメイドのペット用漢方薬も処方されています。
漢方薬は副作用がないとされていますので、病院で処方される薬が心配な方は利用してみてはいかがでしょうか。

食事療法

ケトン食と言われていて、糖質を減らし、高脂肪を摂取する方法です。
こちらも副作用がありませんから、気にされる方は試してみてはいかがでしょうか。
ただし、発作直後は低血糖状態になるので、蜂蜜などの糖分をヨーグルトに混ぜて与えるなどしてください。

サプリメント

サプリメントも販売されていて、漢方薬や食事療法よりも手軽ですね。
マグネシウム不足も発作の原因であると考えられています。
サプリメントで補ってあげるのも良い方法です。

ハーブ

ストレスやパニック状態を緩和してくれる、スカルキャップが有名です。
利用している飼い主さんも多いですね。

アロマ

刺激の強いローズマリーは、てんかん持ちの犬には使えません。

さいごに

投薬治療は長期間にわたり続きます。
内臓への負担も考えられますので、添加物の少ないドッグフードに切り替えるといった気遣いも必要です。
てんかんになった飼い犬も、こういった飼い主さんの対処や日頃のケアによって長生きすることができるのです。