犬の急性・慢性腎不全、末期症状がでたときの余命は?

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飼い犬が長生きするのはとても嬉しいことですが、高齢化(老犬)や食生活の変化などによって様々な病気もでてきます。

今回は、なかなか症状が出にくく、気づいたときには症状が進行していることの多い腎臓の病気「腎不全」について、詳しくお話したいと思います。

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犬の腎不全の症状

慢性腎不全

慢性腎不全とは、腎臓の機能がほとんど停止した状態です。

慢性腎不全は、次のステージごとに病気の深刻度と症状が異なってきます。

  • ステージ1
    尿の色が薄くなる以外、ほとんど症状が見られません。
  • ステージ2
    水を多く飲むようになり、尿の量も増えます。
  • ステージ3
    嘔吐や貧血、食欲不振、体のふるえといった症状が現れます。
    体内の毒素や老廃物を排出できず、尿毒症になり、震え、痙攣などが頻発します。
    重症化すると、血便や血尿、吐血などの症状も出てくるほか、腎臓機能の低下に伴いおしっこくさい口臭も発生します。
  • ステージ4
    末期と診断されます。先が短く、最期まで苦しむだけであるならばと、安楽死を考える飼い主さんも多いのです。
  

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急性腎不全

急性腎不全はある日突然発症し、腎臓の機能が急激に低下してしまいます。
嘔吐や下痢、ご飯を食べない、水を異常に飲むといった場合、急性腎不全が疑われます。

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犬の急性・慢性腎不全、末期症状がでたときの余命は?

慢性腎不全と病院から診断されると、余命は1年半~2年ほどです。
ですが末期症状である尿毒症を発症していると、余命は1週間~1ヶ月とされます。

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犬の慢性腎不全・急性腎不全の原因と予防

末期症状が出ると余命が短い腎不全ですが、どのような原因で発症するのか見てみましょう。

  

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原因

  • 高齢化に伴う腎臓機能の低下
  • 糖尿病などの他の病気が発症の引き金になる
  • 熱中症
  • 心疾患
  • 尿路結石
  • 腎毒性物質の摂取
    ・エチレングリコール(不凍液)
    ・毒虫や毒蛇
    ・ぶどうやレーズン
    ・ユリ科植物
  • 腎毒性物質の摂取(副作用としてあらわれるケース)
    ・抗生物質
    ・抗がん剤
    ・非ステロイド系抗炎症薬

他にも、塩分を取りすぎるなどの偏った食生活も影響します。
ではどのように予防していけば良いのか、紹介していきます。

  

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予防方法

上記の「原因」であげたものを避けることが予防になりますが、ここでは日常的に起こりやすいものを主な予防方法としてご紹介します。

  • 不凍液(※)ぶどう・レーズンなどを誤飲させない環境づくり
  • バランスの取れた、偏りのない食事
  • 塩分の取りすぎたんぱく質の取りすぎを避ける
  • 熱中症に注意する
  • 定期的な腎臓の検査

不凍液(※)の誤飲による中毒の解説はこちらです。

エチレングリコール中毒
自動車の不凍液が一番有名ですが、最近の多いのがアイスノンなどの一部の保冷剤に多く使われます。
夏場に犬の暑さ対策に多く使われ、それを囓ったり食べたりする事によって中毒を起こします。
嘔吐、沈鬱と言った軽い症状から、急性腎不全(嘔吐、乏尿など)などを呈します。
腎不全まで行ってなければ予後は問題ありませんが、腎不全が見られる場合、死亡率は猫97%、犬50-70%と言われています。

出典元:寺田動物病院

もし、腎臓病以外の病気で処方された薬を飲んで、体調に変化が現れたら服用を中止して、病院に相談しましょう。

シニアになったら、健康であっても定期的に腎臓の検査を行うことをおすすめします。
腎臓の数値(bun値、cre値)を調べると病気の有無の確認ができますよ。

腎臓は一度破壊されると治ることはないため、完全に回復するのは難しいことから、早期発見早期治療が大きなカギとなります。

犬の腎不全の治療方法と治療費

慢性腎不全の治療方法と治療費

皮下輸液治療という、いわゆる点滴を行います。

血圧が高い場合、血圧を下げる薬剤治療が行われます。

食事療法として、塩分やたんぱく質を制限した食事をします。

サプリメント療法では、ネフガードといった老廃物を吸着して体外に排出する作用が期待できるものを活用します。
慢性腎不全の治療費用は15,000円前後です。

急性腎不全の治療方法と治療費

輸液療法投薬治療を行います。

吐き気があり食事が取れない場合、静脈点滴を行います。
急性腎不全の治療費用は5~10万円ほどかかります。

犬の腎不全の食事療法や、手作りレシピは?

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たんぱく質、ナトリウム、リン、酸性物質の摂取を制限する必要のある慢性腎臓病のために、治療食として腎臓をサポートするドッグフードがあります。

また飲み水には、活性酸素を除去する水素水をおすすめします。
医療現場でも使われているという「H4O」は、活性酸素を効率よく除去することで注目を集めています。

手作りレシピ

腎不全になると、ドックフードを食べなくなるワンちゃんが多いのです。

何も食べないと体力も無くなってきてしまいます。

そこで、たまには手作りごはんをあげてみてはいかがでしょうか?

ごはんを食べてくれるかもしれません。

添加物は腎臓の負担になりますので、腎臓に良い無添加のレシピをご紹介します。

※手作りごはんを与える前に、必ずかかりつけの獣医師さんに確認してくださいね。

●腎臓応援ごはん手作りレシピ●

*わんちゃん用*
材料~体重5キロの子の場合~
きゅうり…60g
いんげん豆…10g
きゅうり、だいこん…10g
水…120cc
生しゃけ…60g
鶏レバー…5g
亜麻仁油…小さじ1/5
すりごま…小さじ・3

作り方
1. いんげん豆、大根をみじん切りにしてごはんと、水といっしょにおじやにする。2~3分煮たら3分蒸らす
2. お肉、魚は1cm角に切って別鍋でひたひたの水で煮ておく
3. きゅうりは生のまますりおろす
4. 1と2が人肌に冷めたのを確認してからきゅうりといっしょに器に盛りトッピングとして亜麻仁油やごまを加えたら完成!!

出典元:さくら動物病院

 

さいごに

治療しても回復が望めない病気は辛いものですよね。

それだからこそ飼い主さんは、食生活の見直しや、定期的な健康診断などで予防に努めたいものです。
ちょっとした気遣いが、愛犬の健康寿命を延ばすのですから。