苦しげに体が震えたかと思うと、愛犬が何らかの液体を吐いた、そういった話をよく聞きます。
液体は黄色かったり白い泡だったり、毎日吐く(嘔吐を繰り返す)といったように様々です。
お散歩中に危険なものを拾い食いしたのでは、と前回のお散歩の記憶を思い出そうとしたこともあるでしょう。
餌を吐いてしまうこともあります。
そんな飼い主さんの不安を解消するために、危険な嘔吐と、そうでない嘔吐の違いを説明したいと思います。
嘔吐物が黄色い場合の原因と対処法
黄色い嘔吐物は、胃液?
いいえ違います、胆汁です。
胃の中がからっぽで、胆汁が逆流したと思ってください。
犬は空腹状態が長く続くと、胆汁(黄色の液体)を吐くことがあります。
フードの量が少なかったり、あげる回数が少ないときに起こります。
まずは愛犬の体重をきちんと測った上で、愛犬に与えるフードの量が少なすぎないか、ドッグフードのパッケージと愛犬の体重を見比べてください。
与える量そのものに問題がなければ、空腹の時間を短くする必要があります。
1日に必要なドッグフードの量はそのままで、回数を増やしてあげましょう。
2回なら3回に、3回なら4回に分けて与えます。
早食い防止用の食器も売られているので、使用してみる方法もありますよ。
愛犬が食べてくれそうなら、ゆでた野菜をトッピングしてかさ増やしする方法もあります。
嘔吐物が茶色い場合の原因と対処法
吐いた液体がコーヒーのような茶色であった場合、消化された血液の可能性があります。
嘔吐した後、ぐったりして元気がなかったり、下痢や血便といった症状が出たときは、注意が必要です。
できるだけ早く病院へ連れて行きましょう。
嘔吐物が白い泡の場合の原因と対処法
白い泡は、胃液です。
空腹かストレスが原因である可能性が高いです。
飼い犬が吐いている場面を見ていて、胃液と判断できれば良いのですが、気がついたら床に白い泡が落ちていた場合や、明らかに白い泡状の唾液であった場合は、深刻です。
本当に白い泡が唾液であった場合、胃捻転や胃拡張の疑いがあるからです。
容体が急変して、あっという間に死ぬこともあるので、急いで動物病院で診てもらいましょう。
嘔吐物に血が混じっていた場合の原因と対処法
嘔吐物に少量の血液が混じっている場合、胃のびらん、潰瘍、腫瘍などが考えられます。
血の混じった嘔吐と下痢が同時に起こるのは、ガンや胃炎などを疑いましょう。
病院へ行くことをおすすめします。
その他の症状
嘔吐物の中に透明の液体がある場合
嘔吐物が未消化ならば、透明な液体は唾液かもしれません。
喉や食道に原因があり、飲み込めずに吐き出してしまった可能性があります。
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緑色の嘔吐をする場合
空腹時の緑色の嘔吐は胆汁嘔吐症候群かもしれません。
食事を小分けにして、空腹の時間を短くするようにしてください。
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食事中や食後に黄色い液体を吐く場合
嘔吐物が未消化で、黄色い液体(胆汁)を吐いていると、食べ過ぎのサインか、食べるものが体に合っていないのかもしれません。
食べすぎなら、食事の量を小分けにしましょう。
また、脂肪分が多い場合もあるので、脂肪分の少ないフードに変えましょう
食物アレルギーの疑いもあります。
病院へ行き、血液検査を受けて、何アレルギーか特定しましょう。
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フードを切り替えた時に吐いた場合
子犬用のフードから成犬用へ切り替えた、などなど、様々な理由でドッグフードを切り替えることがあります。
ワンちゃんによっては、フードの固さや大きさ、味が合わなくて、嘔吐することもあります。
ドッグフードのパッケージには、以前のフードから切り替える方法が載っていますので、飼い主さんはよく読んで、少しずつ切り替えてあげてください。
フードが合わないと、嘔吐だけでなく、下痢になることもあります。
水を吐いた場合
水を飲みすぎて吐いたときは、多飲多尿といいます。
糖尿病、慢性腎不全、泌尿器系、代謝系の病気で起こるとされます。
老犬が嘔吐した場合
高齢犬の嘔吐には、病気が潜んでいるかもしれません。
心不全や肺炎、気管支炎、胃炎胃潰瘍…数え上げるときりがないほどです。
痰を吐いた場合
咳とともに痰を吐いたときは、ケンネルコフやフィラリアなどが疑われます。
しゃっくりしながら嘔吐した場合
与えるフードの量や、内臓の病気が考えられます。
フードの量を変えても症状に改善が見られないときは、内臓の問題を疑い、病院へ連れて行きましょう。
さいごに
愛犬がなにかを吐いたら、少しでも病気が疑われたら、すぐに病院へ行きましょう。
特に白い唾液の泡は、胃捻転や胃拡張が疑われ、愛犬の命が一瞬で奪われるかもしれません。
あなたの速やかな行動が、愛犬の命を救うのです。