やむを得ない事情で長期に愛犬を預けることに・・
どこに頼むのが一番なの?
愛犬に最善の方法を見極めるのは、あなたの手腕次第です。
そこで今回は、「犬の預け先、預け先を選ぶポイントなど」をまとめましたので、ご紹介します。
ペットホテル
ペットホテルとは、ペットの宿泊施設ですがそのスタイルは様々です。
最近では、クオリティーやサービスも実に多様化してきています。
これまではケージタイプが主流でしたが、最近ではクレートに慣れていない犬でも預けられるように個室タイプも出てきています。
ホテル専門
料金の相場:1泊2,000~5,500円程 個室7,000~9,000円
- 個室やドッグラン付の、様々な大きさのケージを用意している所も多いです。
- ペットシッター派遣、散歩代行、送迎等のサービス、散歩や食事時間等のタイムスケジュールを完全オーダーメイドできる所もあります。
- WEBカメラで常に愛犬の様子を見ることができる所もあります。
- 夜間は無人の所と、24時間スタッフ常駐の所があります。
- 個室内でフリーに過ごせる所もあります。
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トリミングサロン・ペットショップ併設
料金の相場:小型犬1,500~2,000円 中型犬2,500~3,900円
- 店舗併設はスペースに限りがあるため、ケージ預かりが多いです。
- ケージ預かりで隣に犬がいたり、他の犬の匂いや鳴き声がストレスになる場合もあります。
- 写真付きメールを送ってくれるサービスがある所もあります。
- トリマーやスタッフが相手をしたり、散歩させてくれる所もあります。
- 夜間は無人が多いです。
- 行きつけのサロンの場合は、お互い(店員も犬も)慣れているため比較的安心できます。
- ホテル滞在中に、トリミングなどのトータルケアを一緒に依頼できます。
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空港内ペットホテル
料金の相場:2,000~5,500円 特別室10,000~20,000円
- 空港周辺の駐車場がペットホテルを設けており、空港まで送迎してくれます。
- 海外旅行などの場合は、空港近くで預けられるので便利です。
- 空港内のペットホテルはトリミングができ、ドッグラン付、個室完備、24時間スタッフ常駐等の所が多いです。
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保育園併設
料金の相場:小型犬5,000~7,000円 中型犬6,000~8,000円 大型犬7,000~10,000円
- 送迎付きの保育園等が、一時預かりからお泊りまで行ってくれます。
- 寝る時だけはケージですが昼間はフリーだったり、他の犬やスタッフと遊んでくれたり、しつけをしてくれるところもあります。
夜間は、スタッフと一緒に寝てくれるところもあります。 - 毎週保育園に通って慣れている犬には安心です。
- ケージレスのところが多く、犬の近くにスタッフがいるため、トラブル発生時の初期対応が早いというメリットもある反面、気が合わない犬とケンカをして噛んだり噛まれたりというデメリットもあります。
- 他の犬と遊ぶのが苦手な犬は、ストレスになるため不向きといえます。
- 他の犬と接する際、感染症のリスクも考えられます。
旅行先の旅館併設
料金の相場:旅館内の場合1,000~2,000円
- 旅館など犬と同泊できない施設の別棟、またはその周辺にペットホテルを併設しています。
- 近くの動物病院と提携している場合もあります。
- ケージ預かりのみで基本的な世話は、すべて飼い主が行います。
- すぐ近くにいられる上に、世話も人任せではないので安心です。
- 夜間ひとりでケージの中で寝られる犬には向きます。
いずれのペットホテルでも注意すべき点
動物愛護管理法で業として動物の販売、保管等を行う場合、動物取扱業の登録を受けることが定められています。
ペットホテルも保管を目的に顧客の動物を預かる保管業者として、都道府県知事または政令市の長の登録を受け、動物の管理の方法や飼養施設の規模や構造などの基準を守ることが義務付けられています。
よって、ペットホテルを選ぶ際は、動物取扱業の登録を受けているどうかを確認して下さい。
動物病院
病気やケガなど、何か起こったときに最も安心なのが動物病院です。
料金の相場:小型犬・中型犬2,600~5,800円 大型犬5,000~6,000円
- スペースに限りがあるため、基本的にケージ預かりなのでフリーにできません。
- 数は少ないですが散歩のサービスがある所もあります。
- 衛生管理はもちろん、専門知識を持った病院スタッフが遊んでくれる場合もあります。
- 別棟で手広くホテルを展開する病院もあり、手作りごはんサービスのある所もあります。
- 健診・血液検査をしてくれますし、万が一ケガや病気で体調が悪くなったときには即対応可能で安心できます。
- 同室内の犬の病気がうつることもあり、他の犬の匂いや鳴き声がストレスになる場合もあります。
- 夜間無人の場合もあるため、事前に確認が必要です。
実家
身近な身内に預けるのは心強いです。
ただ、思い通りの世話を期待しすぎないことが大切です。
お願い事は明確にし誤解のないよう、最後に感謝の言葉を忘れずに。
- 普段から交流があるとストレスが少ないです。
- 犬を飼っていない家の場合は、犬が届くところに危険物が置いてある可能性があります。
- 先住犬がいる場合、慣れていないと相当なストレスです。
- 先住犬と仲良しの場合は、一緒に遊べるというメリットになります。
友人・知人宅
信頼している人に預ければ、安心を得られます。
預ける際に、友人・知人へ犬に関する情報をメモに書いて渡しておくと良いでしょう・・メモに書いておくこと「食事量・時間・あげ方・散歩・おやつ・緊急連絡先など」
また、飼い主の匂いがついた物やベッド、おもちゃも預けるといいでしょう。
友人・知人と犬との相性を確認しておき、犬を飼ったことがない人には預けないようにしましょう。
- 先住犬がいる場合、慣れていないと相当なストレスです。
- 先住犬と仲良しの場合は、一緒に遊べるというメリットになります。
- 犬がその友人・知人に懐いていれば、犬もストレスが少ないです。
- 専門知識がない人に預けるのは、脱走や誤飲などの事故につながります。
- 万が一トラブルが起きた際に、その人との関係性まで壊れてしまう危険があります。
- 謝礼で気を使います。
ペットシッター(犬を預けずに家に来てもらう)
料金の相場:1時間3,000円 30分毎1,000円 散歩2,000円 出張費500円~ 交通費実費 初回登録料1,000円程
自宅は自宅以外の慣れない場所に預ける場合に比べて、ストレスが少ないです。
ペットシッターは、犬の知識が豊富で安心です。
トータルの世話(散歩・食事・清掃・グルーミング・通院・トリミングサロン)をしてくれます。
「派遣業者が保険に入っているか、動物取扱業登録しているか、事前に調査、打ち合わせを行ってくれるかどうか」を確認しておきましょう。
基本的に、1時間単位で依頼できるペットシッターが多いので、長時間依頼をする前に短い時間で練習しておくと、犬のストレスも少なくできるでしょう。
- 他の犬から病気が感染するリスクが無い
- 犬を預け先に運ぶ必要が無い
- ペットシッターが家の物を勝手に使う・窃盗などのセキュリティ面のリスクや、犬にケガをさせる・散歩中の事故(他犬・交通事故)などのトラブルの可能性があります。
- 費用が高額
- 基本的に早朝・夜間は犬だけで留守番させることになります。(業者によっては引き受けてくれるところもありますが、割増料金になります)
その他の犬の預け先
訓練所
料金の相場:2,000~6,000円
- 環境的にのびのび過ごせる
- 散歩サービスが充実している所が多い
- しつけもしてもらえますが、しつけ習慣の違いから犬が戸惑うことも
しつけ教室併設(トレーナーの自宅)
料金の相場:3,500~4,500円
- 環境的に自宅と変わらない
- 先住犬がいる場合、慣れていないと相当なストレスです。
- 先住犬と仲良しの場合は、一緒に遊べるというメリットになります。
- しつけもしてもらえますが、しつけ習慣の違いから犬が戸惑うことも
預けられて飼い主と離されると、犬はストレスを感じるの?
ペットホテルに預けられて飼い主と離れるという環境の変化は、犬にとって間違いなくストレスです。
特にこのような性格の子にとっては、かなり大きなストレスです。
- 寂しがり・甘えん坊(飼い主と離れることに慣れていない)
- 他人慣れ、犬慣れしていない(社会化が不十分)
- その預け先に初めて行く犬
ですので、いきなり長時間(1泊とか2泊など)預けるのは避けて、まずは数時間単位での予行練習を何度かしておきましょう。
また、普段から飼い主が犬にベッタリになりすぎないように適度な距離を置く練習や、散歩のときに初対面の犬や人に慣れさせる練習もさせておくといいでしょう。
それらの練習をやっておくと、長時間預けることになったときに飼い主と離れ離れになるストレスや、知らない人や犬などから受けるストレスを減らすことが出来ます。
帰宅後、安心して疲れが出た時に下痢、頻尿等の症状が出る場合がありますが、大抵の場合は帰宅後にゆっくり休めば落ち着きます。(2~3日様子を見たら大丈夫なことが多い)
犬の預け先を選ぶときのチェックすべき項目
ここでは、「預け先を選ぶときのチェックすべき項目」をまとめました。
- 見学させてくれるか(部屋・施設など)
ペットホテルや病院などは、基本的に見学させてくれます。
ぜひ見学して、納得できる所を選びましょう。
- ゲージタイプか個室タイプか
犬の性格に合わせた場所の広さ(ゲージか広い個室か)も確認しておきましょう。
- 犬同士の距離・トラブル防止対策はなされているか。
他犬との距離や他の犬の声・ニオイがする環境かどうかを確認しておきましょう。他の犬の声やニオイは強いストレスになりますし、犬慣れしていないワンコにとっては犬が近くにいるだけで大きなストレスになります。
- 衛生面
感染症を避けるため、衛生面には特に気を付けたいところです。
- 空調管理
冷暖房の有無も確認が必要です。夏は特に熱中症に注意が必要です。
- 実際に利用した人の口コミ、常連客の声
リピーターの有無はよい判断材料になります。
- 担当するスタッフ1人あたりの犬の頭数
担当するスタッフ1人あたりの頭数が、多すぎないところを選びましょう。
- スタッフの犬に対する世話の時間
スタッフが犬と触れ合ってくれれば、犬の寂しさも紛れます。
- 飼い主に対するスタッフの対応
人柄、受け答え、知識など人として信頼できそうか、打ち合わせで細かい点まで犬の事を聞いてくれるか
- ドッグフードやおもちゃを持ち込みできるか
自分の匂いのついたおもちゃや、食べ慣れているフードがあればより安心です。
- 犬の散歩をしてくれるか
飼い主が居ないストレスは、散歩で発散できます。
- 24時間の監視体制か
犬を常に監視してくれるのであれば、早朝・夜間の時間帯でも安心です。
- 万が一の急病やケガの際の体制が整っているか
病院が併設されていたり連携している病院があるなど、何かあったときの体制が整っていればより安心です。
- ペットホテルを選ぶ際は、動物取扱業の登録を受けているどうか
- 感染症を避けるため、ワクチン接種をしておく(義務である登録・予防接種等も忘れずに)
他の犬と一緒または近い場所で預けられていることが多いため、感染リスクは常に考えておいたほうがいいでしょう。
- 予行練習をしておく
犬のストレスを軽減させるため、「短時間預ける、犬慣れ・人慣れさせておく」などの予行練習をしておく。
犬を預ける前にまず足を運んで、見学に行ってください。
そして、信頼できるホテルを、時間をかけて見つけてください。
決して店の豪華さや、セールストークに惑わされないことです。
急に預ける必要が生じた場合に備えて、日ごろからお気に入りのホテルを確保しておきましょう。
犬が預け先に慣れていて、散歩やストレス発散ができる環境であれば、預ける期間が2泊以上の長期になっても大丈夫でしょう。
また、よく散歩をする犬や普段は大きな部屋で生活している犬が、室内や小さなケージの中で長時間過ごすと、食欲が落ちる、元気がなくなることもあるので、その場合は慣れている知人の家や、散歩サービス付きで広い個室があるペットホテルを選びましょう。
また預けた際の病気、骨折などの事故が起こっているのも事実ですので、預ける場合はある程度のリスクは覚悟しておきましょう。
ただ、夏にペットホテルで預けた犬が、熱中症で亡くなってしまったという痛ましい事故が実際に起こっていますので、夏に預ける時には特に注意が必要です。
特に熱中症になりやすいのは、短頭種(いわゆる鼻ぺちゃ犬)に分類される犬です。
<短頭種> パグ・ブルドッグ・ボストンテリア・ペキニーズ・ |
他にも、預け先で脱走した末に事故死してしまった、あるいは度を越した調教によって死んでしまった、などの事例があります。
このようなことにならないように、信頼できる預け先を見つけて下さい。
さいごに
帰宅後、愛犬は慣れない環境でとても疲れています。
まずスキンシップと優しい言葉かけをしてください。
それからは安静にすることです。
特別なことはしなくて良いのです。
あなたのそばで眠ることが何よりなのですから。