オーストラリアン・ラブラドゥードルは、ラブラドール・レトリーバーとプードルを掛け合わせて作られたと思われていますが、実はそれ以外にも、数種類の犬種を掛け合わせて作られています。
芸能人では、B’zの稲葉浩志さんが2頭のオーストラリアン・ラブラドゥードル(どちらもテディベアカット)を飼われています。
そこで今回は、オーストラリアン・ラブラドゥードルの価格・値段、性格や寿命、抜け毛などについて調べてみました。
犬種と名前の由来(ラブラドールとプードルだけのミックスではない)
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、アレルギーを持つ視覚障害者のために、盲導犬として活躍するために作出されました。
もともと、ラブラドールは使役犬として活躍していましたが、抜け毛が多いため犬アレルギーを持つ人にとっては悩みの種となっていました。
そこで、抜け毛の少ないプードルと掛け合わせることで、アレルギーの出にくいオーストラリアン・ラブラドゥードルを作り出すことに成功しました。
さらに改良を図るため、ラブラドール・レトリーバーとプードル以外にも、4犬種(アメリカン・コッカー・スパニエルやイングリッシュ・コッカー・スパニエル、アイリッシュ・ウォーター・スパニエル、カリー・コーテッド・レトリバー)が取り入れられ、それをオーストラリアン・ラブラドゥードルと名付けました。
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、世界中からの使役犬としての評価が高く、現時点では血統書こそはないものの、希少価値が高い犬種とされています。
サイズ(スタンダード、ミディアム、ミニチュア)
- スタンダード
[体高50cm~65cm程、体重23KG~30KG]
ゴールデンリトリバーの体格と同じくらいの大きさです。
- ミディアム
[体高40cm~55cm程、体重13KG~20KG]
ボーダーコリーや、ダルメシアンくらいのサイズです。
- ミニチュア
[体高35cm~40cm程、体重7KG~12KG]
ビーグルや柴犬の大きさに近いです。
オーストラリアン・ラブラドゥードルの見た目は?どちらに似ている?
ラブラドゥードルは、すでにお伝えしているように6犬種の血が入っており、サイズも様々なので、実に色々なタイプの子がいます。
ただ、プードルの巻き毛は受け継いでいることが多いようですね。
プードル寄りの子
ラブラドール寄りの子
ややプードル寄り?
プードルが強くラブの面影があまりない・・・?
こんな子も
水でびしょびしょ
子犬です
性格・性質などの特徴は?
■穏やか
■明るく陽気
■人、犬に対してフレンドリー
■従順・素直なのでしつけしやすい
■賢い
■運動能力が高く、運動量も多い
盲導犬、介助犬・セラピー犬として主に活躍するオーストラリアン・ラブラドゥードルは、人の心を癒すことに優れた犬で、「人間の気持ちがわかる」といわれるほど、気持ちを読む能力が高いことで知られています。
実際に、自閉症の子や服役囚の心のケアにも活躍しているほどです。
また、とても社交的で、人だけでなく他の犬に対してもフレンドリーに触れ合うことができます。
そのため、小さなお子さんがいる家庭でも安心して飼うことができます。
さらに、賢く従順なので、しつけ・訓練しやすいだけでなく、介助を必要としている人にとって非常に高く評価されています。
活発なプードルの特徴を受け継いでおり、運動量が非常に豊富なので朝晩の散歩(一日あたり30〜60分)は必須になります。
狩りや牧羊犬ほど運動はさせなくてもいいとは思いますが、人とのふれあいが大好きなので
室内でも知的ゲームなどをしてあげることも、信頼性を築くうえで大切です。
また、かじるのが大好きで、しかも力が強いため、子犬のときからの躾(しつけ)が重要になってきます。
無駄吠えは比較的少ないといわれています。
ニオイはする?
■ニオイはほとんどしない
この犬種は、もともと動物アレルギーを持つ人の盲導犬・介助犬・セラピー犬になることを目的に、厳選された犬種合計6種の中で掛け合わされているので、ニオイはほとんどしないと言われています。
もちろん、定期的にトリミング等のお手入れをしないとフケや毛玉のもとになり、ニオイも発生するのでご注意ください。
寿命は?
■12〜14年
小さいサイズほど寿命が長くなる傾向があります。
かかりやすい病気は?
- 股関節形成不全
股の関節部分に異常が出て、足を引きずったりする症状です。遺伝性が強く、ラブラドールの血筋を引いているため注意が必要です。
- 運動誘発性虚脱
運動することで虚脱状態になることです。これもラブラドールの遺伝性疾患とは判明しているものの現在の獣医学では治療方法が解明できていないので、この症状を飼い主さんは知識入れておいていただきたいですね。
- 進行性網膜萎縮症
目の病気です。網膜の異常が原因で視力を奪っていく進行性疾患です。白内障も併発するなど、最悪失明ともなります。愛犬がものにぶつかったりとかを見つけたら、病院にご相談して検査をしてもらってください。
その他には、肘関節形成不全、耳、皮膚の病気などもあります。
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、耳が垂れているため、耳のお手入れはしっかりとしてあげることが必要です。
毛色(カラー)・毛質は?
■毛色
ゴールド、アプリコット、キャラメル、チョーク、ブラック、レッド、カフェ、クリーム、シルバー、チョコレートなどがあり、さらにレアカラーとして、体の50%未満が白のアブストラクト、ファントム、ブリンドル(トラ模様)、パーティなど多彩な色とパターンを持っています。
■毛質
- フリースコート
ヤギのような柔らかな毛質をしており、緩やかなウェーブな為、ブラッシングしやすいのが特徴。
- ウールコート
羊のようにしなやかなカールをしていて、生え方は厚くしっかりとした見栄えが特徴。羊程密集していないので手入れは容易です。
- ヘアーコート
若干抜け毛が出てくるため、この毛質はややアレルギーフレンドリーではないですが、他の犬種ほどではありません。
抜け毛の量や、毛のお手入れは?
毛のお手入れですがタイプによって異なります。
フリース、ウールは抜け毛の量がさほど多くないですが、その分お手入れが大変になってきます。
以下に、トリミングとブラッシングの理想的な頻度をまとめました。
■フリース
トリミングは、1~2ヶ月に1度
ブラッシングは、長さによっても少し差がありますが、毎日行うのが理想的
■ウールコート
トリミングは、3~4ヶ月に1度
ブラッシングは週に1度
■ヘアーコート
ヘアーについては、抜け毛の量が上記のタイプと比べ若干多いので、ブラッシングは毎日、トリミングも1か月弱程度で1回が好ましいといわれています。
トリミング・カットについて(種類・料金など)
価格帯は個体差もあるのですが、6,000円~10,000円が相場です。
ちなみに、B’zの稲葉さんの愛犬のテディベアカットは、月一頻度で料金は10,000円のようですよ。
犬アレルギー反応を起こしにくいといわれる理由
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、抜け毛が少ないため、犬アレルギーを起こしにくいといわれています。
オーストラリアン・ラブラドゥードルは、フケや抜け毛がカール(巻き毛)によって舞い上がりにくくなっており、喘息などの症状では99%、皮膚疾患などの症状では95%の確率でアレルギーフレンドリーだと報告されています。
あのオバマ大統領は、アレルギーの娘のために、ペット候補としてオーストラリアン・ラブラドゥードルを挙げていたそうです。
結果的に、ラブラドゥードルではなくポーチュギーズ・ウォーター・ドッグにはなりましたが、それほどアレルギーフレンドリーとして知名度が高い犬種です。
※ただし、犬アレルギーの原因は抜け毛以外にもあるため、アレルギーフレンドリーが科学的に証明されているわけではありません。
購入方法と、価格・値段の相場は?
大きく次の2つの方法があります。
ブリーダーから購入
日本国内ブリーダー(ニチイグリーンファーム)による展示販売が行われている「レイクウッズガーデンひめはるの里」で購入もしくは、オーストラリアなど海外ブリーダー(仲介業者)からの(個人)輸入となります。
この犬種は、日本のペットショップ・販売店での購入は困難な状態となっています。
日本のペットショップでプードルとラブラドールのミックスが販売されていてもそのほとんどが、単なるミックス犬で、ラブラドゥードルではありません。
毛色や性別によって異なりますが、35万~45万円程が平均とされています。
*ワクチン・マイクロチップ代金は別途。
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FCHシステムを利用する
FCHシステムとは、ニチイグリーンファームという企業によって行われているシステムで、一定条件を満たした家族に対し、オーストラリアン・ラブラドゥードルを預けて飼育してもらうというものです。
契約期間があり、その期間内でブリーディング活動に協力するということです。
契約期間が満期を迎えると、所有権は家族に移行され、一緒に生活できるシステムになります。保証金として120,000円が必要となっており、契約満了のときに健康に問題ない場合は、全額返金されるシステムです。
なお、交配・出産のときだけは、ニチイグリーンファームに預け、その後はまた家族に戻ります。
外飼い?それとも室内飼いにすべき?
このオーストラリアン・ラブラドゥードルは、外飼いでも可能ではあります。
ただ、犬が苦手なご近所の方もいらっしゃるかもしれませんし、外の環境によっては無駄吠えにつながりかねません。
もともとアレルギーが出にくい犬種ですし、人とふれあうことが大好きな犬種ですので、室内飼いが好ましいと思います。
住宅環境にもよりますが、以上の理由でこの犬種は基本的に、室内での飼育をおすすめします。
オーストラリアン・ラブラドゥードルとゴールデンドゥードルの違い
■ゴールデンドゥードル
「ゴールデンレトリバー」と「プードル」の2犬種を掛け合わせた(※)二重純血犬種。
■オーストラリアン・ラブラドゥードル
「ラブラドールレトリバー」と「プードル」を主体に、次の4犬種を掛け合わせたもの。つまり、ラブラドゥードルは、(※)二重純血犬種ではありません。
・アイリッシュ・ウォーター・スパニエル
・カーリー・コーテッド・レトリーバー
・アメリカン・コッカー・スパニエル
・イングリッシュ・コッカー・スパニエル
(※)二重純血犬種とは、2つの異なる純血犬種を交配した犬をもとに何世代にも渡ってブリーディングを重ね、両犬種の良点を出すために固定化された犬種です。そのため、単なる純血腫同士の一代かぎりの掛け合わせであるF1ミックス犬とは違います。
よって、オーストラリアン・ラブラドゥードルは、一代かぎりの掛け合わせであるF1ミックス犬でもありませんが、二重純血犬種でもありません。
さいごに
盲導犬、介護犬、セラピー犬として、人間をケアあるいはサポートするために誕生したオーストラリアン・ラブラドゥードル。
ラブラドゥードルは人間社会で必要不可欠な存在となっていますので、現在は正式な犬種として認められていませんが、そう遠くない日に、新たな犬種として認められる日が来るかもしれませんね。
最後に、生まれたばかりの8匹のラブラドゥードルが、1歳になった様子を動画でご覧ください。