猫が自分の体(手・おしり・しっぽなど)をなめる理由と意味は?

猫が自分の体をなめるのには、色々な理由・意味があります。

それは毛づくろいであったり、気持ちをリラックスさせるためであったり、あるいは隠れた病気が原因であることも。

そこで今回は、猫が自分の体をなめる理由・意味などを、体の場所(口・おしり・おなか・しっぽ等)や状況別ににご紹介したいと思います。

当記事は、おもに猫が自分自身の身体を舐める仕草についてご紹介するものです。

猫が人(飼い主)の身体を舐める仕草については、次の記事をご覧ください。

猫がペロペロ舐めてくる理由・意味!人の手、顔をなめるのはなぜ?

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自分の体をなめる理由

猫が自分の身体をペロペロと舐めて毛づくろいするのには、多くの意味があります。

体を清潔にするため

猫の舌にはザラザラとした糸状乳頭(しじょうにゅうとう)という突起物があるので、身体を舐めることで毛並みを整えたり、毛付いたフケ・ゴミなどの汚れを取り除くことができます。

舌がクシやブラシの役割になるのですね。

マッサージ効果

身体をなめると皮膚がほどよく刺激されて、血行が促進されます。

いわゆるマッサージ効果ですね。

栄養補給

猫が太陽の光をあびると、身体の表面にビタミンDが作られます。

これを舐めることで、ビタミンD(栄養)を摂取しているといわれています。

体温調整のため

猫は人間のように汗をかかないので、自分で体温を下げる必要があります。

自分の身体をなめると、身体についた唾液が蒸発するときに周囲の熱を奪う(気化熱)ので、体温が上がり過ぎるのを防げるのです。

猫のだ液が人間の汗の役目を果たすわけですね。

また寒いときには、毛と毛の間に暖かい空気がたまるように毛づくろいをすることで、体温が下がりすぎるのを防ぐことができます。

精神を安定させるため

不安・恐怖などのストレスに襲われたときに自分の体をなめると、気分的に落ち着いて精神が安定します。

身体の匂いの調整

猫の毛づくろいには、次の2つの目的があります。

「自分以外の匂いを舐めて消すと同時に、自分の匂いをつける」

「自分の匂いを舐めて消し、獲物に存在を気付かれないようにする」

状況によって、この2つを使い分けているといわれています。

気持ちがいい・かゆいところをかくため

これは単純に、人間が頭をポリポリかいたりするのと同じです。

猫が毛づくろいする時間

■ 1日約10時間(起きている時間の30%~50%ほど)

猫は起きている時間の最大半分ほどの時間を、毛づくろいにあてています。

前足(自分の手)・顔・肩・後ろ足・しっぽなどを舐めて毛づくろいします。

舐める場所や順番は猫によって差があります。

ただし同じ場所をしつこく舐めているような場合は、病気やストレスが考えられますので病院で診てもらいましょう。

毛づくろいをよくする猫・あまりしない猫

猫の中でも、毛づくろいをよくする猫・あまりしない猫がいます。

ここでは、その傾向の違いについてご紹介します。

年齢

●高齢猫(あまり毛づくろいしない)

●若年猫(毛づくろいをよくする)

高齢ほど起きている時間が少なくなるため、毛づくろいをあまりしなくなります。

反対に、若い猫の方が起きている時間が多くなるため、毛づくろいをよくします。

※ なお、子猫は生後3週間以降に毛づくろいを始めるようになります。

性別

●オス(あまり毛づくろいしない)

●メス(毛づくろいをよくする)

オスメスよりも運動する時間が多いので、自然と毛づくろいの時間が少なくなります。

それとは反対に、メスオスよりも運動する時間が少ないので、毛づくろいの時間が多くなります。

体型

●太っている猫(あまり毛づくろいしない)

●痩せている猫(毛づくろいをよくする)

太っている猫は、身体が曲げにくく、舌が色々な場所に届きにくいためです。

痩せている猫は、身体が曲げやすく舌が色々な場所に届きやすいためです。

性格

●おおらかな性格(あまり毛づくろいしない)

●神経質な性格(毛づくろいをよくする)

おおらかな性格の猫は、ストレスを感じにくいためです。

神経質な性格は、ストレスを感じやすいためためです。

飼育環境

●室内飼い・単頭飼い(あまり毛づくろいしない)

●外飼い・多頭飼い(毛づくろいをよくする)

室内飼い・単頭飼いの猫は、他の猫や生き物の匂いが付きにくいためです。

外飼い・多頭飼いの猫は、他の猫や生き物の匂いが付きやすいためです。

幼少期の習慣

●子供の頃、母猫から離された(あまり毛づくろいしない)

●子供の頃、母猫と十分な時間を過ごした(毛づくろいをよくする)

グルーミングは生まれつき知っているのではなく母猫に教えられて身に付くものなので、子供の頃に母猫から離された猫は、グルーミング(毛づくろい)を行わないといわれています。

被毛の種類

●長毛種(あまり毛づくろいしない)

●短毛種(毛づくろいをよくする)

長毛種は、毛が長いために顔や口の周りに毛が絡みつくのを嫌い、あまり毛づくろいしない傾向があります。

短毛種は、毛が短くて毛づくろいしやすいためです。

毛づくろい中に噛むのはどうして?

猫は毛づくろい中に噛むことがあります。

理由は大きく次の3つです。

■ 古い被毛を気にしている

■ 皮膚の異常、かゆみ

■ ストレス

古い被毛がある場合、毛づくろい中に噛むことがあるので日頃からブラシ等で古い体毛は取ってあげましょう。

また、かゆみなどがある場合にも毛づくろい中に噛むことがあります。

たまに噛むくらいであれば、歯を使ってかゆい場所をかいているだけなので問題ありません。

ただし同じ場所をしつこく噛んでいる場合は、皮膚の異常の可能性があり脱毛する危険もあるため、病院で診てもらって下さい。

強いストレスを受けている場合にも、毛づくろい中に同じ場所を執拗に噛むことがあるため、獣医さんに相談することをおすすめします。

人が猫の体をなでると、直ぐその部分をなめるのは「触られたくない」という意味?

■ 毛並みを整えているだけ。触られるのが嫌なわけではない。

よく人が猫の体をなでてあげると、その直後に猫がその部分をペロペロと舐めることがあります。

これは、身だしなみ(毛並み)を整えているだけで、「汚い手で触らないで!」「なでられたくない!」という意味ではありません。

なでられることで、乱れた毛並みを整えているだけです。

ちょうど人間が運動のあとに、髪の毛を整えたりするのと同じことです。

「ごはん・おやつ」と言ったら自分の口をなめる(舌なめずり)のはなぜ?

■ ごはん・おやつを思い浮べている

日頃、飼い主さんが「ごはん」や「おやつ」などと言って、食べ物を与えていたとします。

すると、猫は「ごはん」「おやつ」の言葉を覚えて、「それらの言葉=ごはん・おやつが出てくる」と理解するようになります。

猫は食事のあとに口の周りを舌でなめて掃除するので、言葉を聞いただけで「ごはん」「おやつ」が頭に思い浮かび、その仕草が自然と出てしまうというわけです。

体の同じ場所をなめ続ける(おしり・おなか・しっぽ等)

■ 病気

■ 怪我

■ ストレス

猫が自分の身体の同じ場所だけなめるときは要注意!

病気・ケガ、ストレスなどの可能性があります。

このような原因でなめ続ける場合、舌の届く場所(手・足・背中・しっぽ等)が脱毛(ハゲ)してしまう場合があります。

脱毛(ハゲ)症状に気づいたら、すぐに獣医さんに診てもらましょう。

病気・怪我が原因でなめる

なめている場所をよく見て、炎症・かぶれ・傷・出血などがないかチェックしましょう。

たとえそのような症状が無くても、内臓の病気で同じ場所を舐め続けている可能性があります。

なめすぎて脱毛していないかどうかよく確認し、なめている場所がハゲてしまっていたらすぐに病院で診てもらってください。

同じ場所を舐め続けるときは、次の病気(これらが全てではありません)が考えられるので、病院で診てもらいましょう。

  • 皮膚病
  • 尿石症(陰部をなめる)
  • 尿道炎(陰部をなめる)
  • 膀胱炎(陰部・おなかをなめる)
  • 肛門嚢炎(おしりをなめる)
  • 尾腺炎(しっぽの付け根をなめる)
  • 腸炎(おなかをなめる)
  • 食餌性アレルギー(全身をかゆがってなめる、かじる)
  • 膵炎
  • 寄生虫・ノミ感染
  • 虫などに刺されたなど

ストレスが原因でなめる

猫が体の同じ場所を舐め続けるのは、ストレスが原因のことがあります。

猫は強いストレスに襲われると、不安な気持ちを落ち着かせようとして自分の体をなめようとします。

これは子猫時代に母猫に身体をなめてもらって、安心していた記憶があるからです。

つまり母猫になめてもらって得ていた安心感を、自分でなめることで得ようとしているわけですね。

でもあまりにもストレスが強いと、いくらなめても不安な気持ちを落ち着かせることができずに、さらになめつづけることになって、その結果その場所が脱毛(ハゲ)てしまう場合がありますので、そのような場合は獣医さんに診てもらってください。

なお、猫が失敗したりちょっとした不安や恐怖に襲われたときでも自分の体をなめる(毛づくろい)ことがありますが、このような仕草を転位行動といいます。

「失敗したことをごまかそうとしている」ようにも見えますが、猫に恥ずかしいという気持ちは無いので、そのような心理で舐めているわけではありません。

これは、猫が「普段の何気ない仕草」を行うことで、自分をリラックスさせて平常心を保とうとしているのです。

ちょうど人間が困ったときなどに、頭をポリポリかいたりするのと同じです。

転位行動はなめる(毛づくろい)以外にもあり、「あくび」「伸び」「舌なめずり」などを行う場合もあります。

具体的には、次のような時に転位行動を行うことがあります。

  • 飼い主に叱られたとき(叱られている最中に毛づくろいを始めるのは、反省していないからではなく、不安な気持ちを静めようとしているのです)
  • 猫同士のケンカの最中(ケンカの真っ最中にお互いの猫が毛づくろいを始める、という人間にはちょっと理解できない場面を見ることもあります)
  • 睡眠中に飼い主から撫でられたとき(飼い主に撫でられた時に、伸びやあくびをします。この時の心理は「もっと寝ていたいので起こさないでほしいニャ~!」という不満の気持ちです。
  • 窓越しに小鳥や昆虫を見たとき(捕まえたいのに捕まえられないので、舌なめずりをして心を落ち着かせようとしたりします)
  • 飼い主さんと遊んでいる時(遊んでいる最中に、突然毛づくろいを始めることがありますが、これは遊びに飽きたわけではなく、興奮しすぎた気持ちを押さえようとしているのです)
  • おもちゃの捕獲に失敗したとき
  • 野良猫を見たとき
  • 同居猫に追いかけられたとき
  • 高い場所に飛び乗ろうとしたけど、失敗して落ちたとき
  • 何かにつまづいてこけた時
  • 何かにビックリしたとき

さいごに

猫が自分の体をなめる仕草には、非常に色々な意味がありますね。

また、なめる仕草が思いもしない病気のサインかもしれませんので、ちょっとした変化にも気づけるように、日頃から猫ちゃんの様子をチェックしてあげることが非常に大切です。

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