猫は鏡の自分を認識・理解できる?戦う、威嚇、驚く反応動画

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飼い猫に鏡を見せて、どんな反応をするか試してみた飼い主さんは少なくないのではないでしょうか?

鏡を見せた結果、猫はどんな反応をしたかというと・・・びっくりしたり、威嚇したり、はたまた知らんぷりしたり・・・さまざまだだと思います。

そもそも「猫は鏡の中の姿を認識しているの?その姿が自分だと理解しているの?」

今回は、おもにこの2点について調べてみました。

また、猫を鏡に映した時の反応動画を集めましたのでご覧ください。

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猫は鏡に写る姿を認識しているの?

認識している。

猫は、動体視力が良くて暗闇の中でもよく見えるという特性がありますが、猫の視力は人間の約10分の1ほどしかなく、視力にすると0.1〜0.2ほどです。

そのため、猫はぼんやりとしたシルエットを頼りに見ているだけで、さらに言えばモノを立体的に見ることは不得意なのです。

鏡に写る姿は平面ですので、猫は鏡の中の映像をしっかりと認識できています。

例えば、猫の姿のシルエットを描いた紙を貼っておくと、その絵の猫の体(お尻など)の臭いを嗅ごうとします。

ですので、飼い主さんが変装したり髪形を変えたりしてシルエットが変わってしまうと、飼い主さんだと分からなくなる場合があります。

そもそも、猫はシルエットの他に、嗅覚(におい)聴覚(足音など)を使って、相手が誰なのかを判断しています。

シャワーを浴びた後の飼い主さんの体の匂いを、嗅ごうとする猫が多いのはこのためです。

テレビを見た猫も同じで、最初はテレビの中で動くものに注意を引き付けられて時には捕まえようとしますが、やがて無駄なことを悟ります。

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鏡を見たときの猫の反応は?

その子の性格などの個体差があるので、そのリアクションは実にさまざま。

鏡を見た時の猫の反応・行動パターンにはこのようなものがあります。

  • シャーッ!フーッ!などと唸る(威嚇)
  • 猫パンチする(攻撃)
  • 鼻をくっつけようとする(匂いを嗅ぐ・あいさつ)
  • 前足でさわろうとする(確認)
  • 舐める(愛情表現)
  • 鏡の裏側を覗き込んで相手を探す。

次第に匂いも音もしないことに気づき、やがて興味を失います。

そのため、特に生まれて初めて鏡を見た猫はその姿に驚いて、鏡の中の自分に向かってこれらのような動作をしがちです。

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猫は鏡に映る姿を自分だと理解しているの?

自分だとは理解していない。

 

鏡や水面などに写った自分の姿を、自分であると認識できる能力を難しい言葉で「鏡像認知能力」「自己鏡映像認知能力」と呼びます。

これは世の中に「自分」という存在を認識できる能力で、これを備えるには比較的高い認知能力が必要とされています。

この能力を持っている動物は人間以外では、チンパンジー、オランウータン、イルカ、カササギ(カラス科の鳥)、ゾウ、イカ、ヨウム、ブタなどです。

どれも高い知性を持つといわれる動物ばかりで、とても興味深いですね。

人間も産まれたばかりの幼少期は鏡像認知能力は備わっておらず、生後18カ月から24カ月(2歳)ごろまでに、この能力が身につくとされています。

自己鏡映像認知は生まれながらにして最初から認められるわけではない。生まれて間もないヒトの乳児は自己鏡像を理解できない。鏡に映った「他者」に当惑し,自分の姿にしばしば微笑みかけたり,ベタベタ触れたりする。ヒトで「口紅課題」や「ルージュテスト」と別の呼び名がついているマークテストにパスするのは,およそ2歳前後といわれている(Bertenthal & Fischer, 1978)。

出典:自己鏡映像認知への温故知新

 

「鏡像認知能力」の有無を調べる実験はマークテスト・ミラーテストなどと呼ばれていて、さまざまな動物に対して行われています。

どのような方法かというと、「動物から直接見えない場所に、その体に印をつけた上でその姿を鏡に映して、その動物の反応を見る」というものです。

これは「鏡に写る姿を自分だと認識できるのであれば、鏡ではなく自分の身体を確かめるはず」という理論のもとに行うものです。

すなわち,鏡映像を自己として認知しているのであれば,マークのついた鏡映像を見て実際に自分の顔についているマークに触ったり拭おうとする反応が見られることとなる。

出典:神戸大学(幼児は自己映像を”自分のこと”として見ているか?)

 

この実験に似たものとして、ブタに行った実験があります。

どのような実験かというと、まず障害物の後ろにブタの餌を置いて、その様子を写した鏡をブタに見せるようにします。エサの匂いは換気扇で部屋中に拡散させて、エサに簡単にたどり着けないようにします。

この結果、ブタは鏡を利用して餌に辿り着くことができたということです。

『Animal Behaviour』誌10月号に掲載された論文によると、畜舎に鏡を置いた実験において、5時間後には8頭のブタのうち7頭までが、鏡像を頼りに、隠された餌のボウルを見つけられるようになったという。[中略]

この部屋では、障害物の後ろに餌のボウルを置いており、ブタたちからはボウルが鏡に映っているのは確認できても、餌が直接は見えないようになっている(ボウルの上に換気扇を置いて餌の匂いを部屋中に拡散させ、ブタたちが匂いを頼りにご馳走に辿り着くことはできないようにした)。[中略]

ブタたちは、餌の見た目上の位置である鏡の後ろを探ることなく、すぐに障害物を迂回して、一発でボウルの正しい位置に到達した。

出典:wired

 

残念ながら、「鏡像認知能力」が猫(犬も)に備わっているという報告はありません。

ちなみに、猫や犬にこの能力が備わっているかどうかを、これらと同じ方法でテストすることができます。

テストには2つの方法があります。

  1. 猫・犬が直接見えない顔や体の場所に、気づかれないように(眠っている時などに)印をつけて鏡を見せてあげます。
  2. 先ほどのブタの実験のように、鏡にしか映らないようにおやつなどを配置し、さらにその匂いを部屋中に拡散して匂いを頼りに辿り着けないように工夫した上で、ちゃんとエサに辿り着くかどうかの実験をしてみます。

(1)鏡を利用して自分の身体の印を取ろう・見ようとしたり、(2)おやつの場所をすぐに見つけることが出来たら、あなたの猫ちゃんワンちゃんは「鏡像認知能力」が備わっているスーパーキャット・ドッグかもしれません。

猫が鏡に映った自分を見た時の反応動画!見ない?びっくり?それとも威嚇する?

猫が鏡を見た時の反応動画を集めました。

ひたすら匂いを嗅ぐ猫、鏡を前足でカキカキする猫、威嚇する猫、攻撃する猫、不思議そうに鏡やその裏側をのぞき込む猫などさまざまで、とても面白いです。

 

あなたはだーれ?(不思議がる系)

鏡に映る自分の姿に無反応と思いきや、不思議そうに前足をかけたり鼻を近づけます。

反応が無いことを知ったのか、最後には興味がなくなってしまったようです。

 

 

  

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うわ!驚いたなもう!出てこいコラー!(追跡系)

びっくりした直後、鏡の後ろを何度も確かめる猫ちゃんです。

 

 

  

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来るなら来い!お前なんか怖くないぞ!そして逃亡(ビビり攻撃⇒逃走)

鏡に映る自分に驚き、体を弓なりに曲げて威嚇のポーズをします。

そして猫パンチを食らわせた挙句、最後には逃亡しますw

 

 

  

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あまり私を怒らせない方がいい・・・猫パンチ!猫キック!猫フライングボディアタック!(猫拳法炸裂)

こちらは、鏡に猫パンチ!体当たり!ついにはジャンピング猫キックを浴びせる動画です。

あまりの反動で、後ろに激しく吹き飛んでいますw

 

あれ?もしかしてコレって自分?(ポーズを決める)

鏡を見ながらポーズを決める猫動画です。

まるで、生まれて初めて鏡を見た人間のような反応です。

自分の身体の動きにちゃんと反応しているかどうかを、確かめているようにも見えます。

もしかして「鏡像認知能力」を持つ猫ちゃん?・・・と考えると面白いですね。

 さいごに

猫が鏡の中の自分を「自分」だと理解しているかどうかは別にして、その反応はとても面白いですね。

冒頭にご紹介した「鏡像認知能力」があるとされる動物(チンパンジー、オランウータン、イルカ、カササギ、ゾウ、イカ、ヨウム、ブタなど)でも、その動物の全てがこの能力をもっているとは限らないそうです。

ですので、これから研究が進めば「鏡像認知能力」を持つ猫ちゃんが報告される日が来るかもしれませんね。

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